松尾如華

ことばの贈りもの こどもの図書館

ことばの贈りもの

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 『しまふくろう』 手島圭三郎さんの木版画作品を高知こどもの図書館に 絵本・児童文学研究センターを通してお贈りしました。 来館されるたくさんの方々に触れていただき、そして 手島圭三郎さんの絵本を手にとっていただけますように。 高知こどもの図書館ニューズレタ…
いつかの記のように

いつかの記のように

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 詩誌「折々の」No58 2023年3月1日 同人の諸先輩の方々の詩作品と共に はじめて詩作品を収めさせていただきました。 毎月の「折々の」合評会はいつも柔らかな空気のなかで 過ごしております。 『十月桜の翅』に寄せて。 あなたと歩み、多くのことを教わりま…
 竹

 竹

まっすぐな竹が 木漏れ日をまっすぐに割って きらきらと眩しかった 心に迷いがあるときは まっすぐなものが羨ましくなるものだと 風は囁いて わたしたちを揺らした わたしは あなたが羨ましかったのでしょうか いいえ 風の囁きに 気がついただけなのです あなたの枯れ落ちた葉が あしもとを包み込み わたしと…
Advent アドヴェント peace world

Advent アドヴェント

OLYMPUS DIGITAL CAMERA この物語が終わったら 扉の向こうに来てね と あなたは静かに微笑んだ クリスマスの前の夜に 最後の扉を開いて ちいさな一つの星の下に 抱かれている あなたを見つけた 扉の向こうには あなたの物語がまだ きらきらと輝いていて わたしに静かに微笑んでいた ク…
十月桜の翅 グリーフケア

十月桜の翅

目覚めがたとえ 冬に向かう季節だったとしても いつかの記のように わたしの指先は あなたの冷たい頬に誓うだろう 手放してゆくことは 別れではない 舞い上がる花びら一片でさえ 自らの旅を空に描いている       『十月桜の翅』より…
水浅葱の海に漂うように

水浅葱の海に漂うように

水浅葱(Aqua Green)に常盤(Evergreen)を配した表紙の 広島県詩集 2022年版 第33集が発刊されました。 出版記念会と講演会にて。 詩を傍に生きる方々とお会いすることができました。 はじめてお会いした方々と 名刺代わりのようにお互いに 持参した詩集をそっと開き、その方の詩を拝読…
ひとつのりんご

ひとつのりんご

静寂にある ことばにふれて ただ此処に在る あなたをえがく 第一詩集『ひとつのりんご』 著者 松尾如華 Matsuo Kotoha 29篇の詩を小さな一冊に致しました。 Nov.2021 南の風社刊 114P・定価1,870円(本体1,700+税) お問い合わせ・ご購入は南の風社まで。 http:/…
『おおはくちょうのそら』へ peace world

『おおはくちょうのそら』へ

幼いころ 抱えきれない 一冊の空色の絵本があった なんども きいて 哀しみは空に映ることを知った なんども ふるえて 悲しみを空に描くことを知った なんども ないて 人間の涙と愛しみを覚えていった そらに うかびあがる おおきな しろいつばさを 瞳の奥に留めつづけて 大人になった 抱えきれない悲しみ…
よつつじ

よつつじ

夕焼けに落ち着く時間に 学生鞄を手に駅に降りる 夕陽は線路を越える陸橋の真ん中で 真っ直ぐに延びる線路に 橋の影をうしろにずらし 美しいよつつじを描いて 今日と明日に再会の約束を結んだ むかしながらの駅長に 定期をみせて改札口を抜けると むかしからの友人が 石段の真ん中あたりで おかえり と声をかけ…
雨 透き通る

雨 透き通る

小さいころ 紫陽花の葉の裏をそっと覗くと 悲しみを食べてくれるという かたつむりが 涙を静かに拭ってくれました 今年も  昨年も 雨の降る その日に 葉の裏をそっと覗いて ちいさく呼んでみるのですけれど かたつむりはまだ どこかへ行ってしまったままのよう 傘に触れる雨の音色とともに  ゆっくりと良き…