いつかの記のように

いつかの記のように

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 詩誌「折々の」No58 2023年3月1日 同人の諸先輩の方々の詩作品と共に はじめて詩作品を収めさせていただきました。 毎月の「折々の」合評会はいつも柔らかな空気のなかで 過ごしております。 『十月桜の翅』に寄せて。 あなたと歩み、多くのことを教わりま…
 竹

 竹

まっすぐな竹が 木漏れ日をまっすぐに割って きらきらと眩しかった 心に迷いがあるときは まっすぐなものが羨ましくなるものだと 風は囁いて わたしたちを揺らした わたしは あなたが羨ましかったのでしょうか いいえ 風の囁きに 気がついただけなのです あなたの枯れ落ちた葉が あしもとを包み込み わたしと…
Advent アドヴェント peace world

Advent アドヴェント

OLYMPUS DIGITAL CAMERA この物語が終わったら 扉の向こうに来てね と あなたは静かに微笑んだ クリスマスの前の夜に 最後の扉を開いて ちいさな一つの星の下に 抱かれている あなたを見つけた 扉の向こうには あなたの物語がまだ きらきらと輝いていて わたしに静かに微笑んでいた ク…
十月桜の翅 グリーフケア

十月桜の翅

目覚めがたとえ 冬に向かう季節だったとしても いつかの記のように わたしの指先は あなたの冷たい頬に誓うだろう 手放してゆくことは 別れではない 舞い上がる花びら一片でさえ 自らの旅を空に描いている       『十月桜の翅』より…
しっとりとした手のひらに

しっとりとした手のひらに

今日ははじめて詩の合評会に参加いたしました。 「折々の」の会にて 同人誌 折々の vol.57を頂きました。 どなたかの前で自らの詩を朗読し 感じられるままに言葉を頂くことの 楽しさと喜びを胸に。 帰路の車内にてゆっくりと詩誌を拝読しながら 車窓から見える 四季折々の眺めは寒露を迎え 黄金色の稲穂が…
水浅葱の海に漂うように

水浅葱の海に漂うように

水浅葱(Aqua Green)に常盤(Evergreen)を配した表紙の 広島県詩集 2022年版 第33集が発刊されました。 出版記念会と講演会にて。 詩を傍に生きる方々とお会いすることができました。 はじめてお会いした方々と 名刺代わりのようにお互いに 持参した詩集をそっと開き、その方の詩を拝読…
雨上がり

雨上がり

柔らかなくうきを纏って 雨とともに雲が降りた日は 山の緑も包まれて 陽のふたたび戻るとき 雨の名残の優しさに触れて…
青空のひとつ星 peace world

青空のひとつ星

雲ひとつない青空に見つけることのできる星を 順番にみっつ探していただきました。 ここにありますよ。と レンズを通して青空にかがやく星をただひとつ。 カペラ ぎょしゃ座 42光年 アルデバラン おうし座 65光年 ペテルギュース オリオン座 500光年 生まれるより前の輝きを 瞳に迎えて 見えないはず…
Haru no umi

Haru no umi

数えきれない想い出が わたしのこころから飛び立ってゆく 目覚めた景色を ひとひらひとひらの花びらに。 わたしの風に乗せて 春の空と海とともにどこまでも…
ふたつの peace world

ふたつの

文芸ひろしま 市民文芸作品集第32号(令和4年2月発行) 広島市内の本屋さんに並んでいます。 子どもから大人までの そして たくさんの広島からの声を 感じて頂けたらと思います。 作品を収めていただきました。 『蝉の唱』  2020年の広島の夏。 そして 10年前の文芸ひろしま 第27号に 収めていた…