松尾 如華

ことばの港はみえない港。 日常のさまざまな風景に 錨を降ろし 船をやすめ 柔らかな風を感じる 穏やかなひととき
ともに歩む vol.0 みはらスマイルハート

ともに歩む vol.0

☆9月18日 講演会の御礼を追記しました☆ ☆講演会の御礼のご挨拶に代えて☆ 9月18日追記掲載 予定しておりました講演会を 急遽変更しての開催となりましたが ご来場いただき、ご聴講くださいました皆様には 深く御礼申し上げます。 小澤竹俊氏のメッセージと浜田努氏の講演が お越しくださいました皆様にと…
こだま

こだま

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 詩誌『折々の』No.59 2023年7月1日 詩作品「こだま」を収めております。 「こだま」に寄せて。 手を引かれて山に入っていました。 春には春を。夏には夏を。 秋には秋を。冬には冬を。 それぞれの季節を。 季節は巡ってくることを。 わたしたちは、そし…
栴檀の木の下で

栴檀の木の下で

栴檀の木の下で待っていたのは あなたのうた 詩の毛並みは 栴檀の葉よりも やわらかく 栴檀の葉を食み 静かに紡いでいる 揺れる葉から零れた雫は あまりにも暖かい 五月の雨宿り 栴檀の木の下で待っていたのは 決められていた あなたとの出会い 詩の明眸は 栴檀の葉よりも やわらかく 栴檀の葉を食み いま…
0.1番線にて

0.1番線にて

伝え忘れたまま 0.1番線で列車をぼんやりと見送った 旅のあいだを 静かに横切った あの密やかな約束は 片方の指を見失ったまま (略) ゼロ・イチ番線で待っているから とだけ伝えていたから あなたはきっとまだ 列車に乗ったまま 指と指のあいだを 密やかに通り過ぎてゆく 伝えられなかった言葉は どちら…
ことばの贈りもの こどもの図書館

ことばの贈りもの

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 『しまふくろう』 手島圭三郎さんの木版画作品を高知こどもの図書館に 絵本・児童文学研究センターを通してお贈りしました。 来館されるたくさんの方々に触れていただき、そして 手島圭三郎さんの絵本を手にとっていただけますように。 高知こどもの図書館ニューズレタ…
いつかの記のように

いつかの記のように

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 詩誌「折々の」No58 2023年3月1日 同人の諸先輩の方々の詩作品と共に はじめて詩作品を収めさせていただきました。 毎月の「折々の」合評会はいつも柔らかな空気のなかで 過ごしております。 『十月桜の翅』に寄せて。 あなたと歩み、多くのことを教わりま…
 竹

 竹

まっすぐな竹が 木漏れ日をまっすぐに割って きらきらと眩しかった 心に迷いがあるときは まっすぐなものが羨ましくなるものだと 風は囁いて わたしたちを揺らした わたしは あなたが羨ましかったのでしょうか いいえ 風の囁きに 気がついただけなのです あなたの枯れ落ちた葉が あしもとを包み込み わたしと…
Advent アドヴェント peace world

Advent アドヴェント

OLYMPUS DIGITAL CAMERA この物語が終わったら 扉の向こうに来てね と あなたは静かに微笑んだ クリスマスの前の夜に 最後の扉を開いて ちいさな一つの星の下に 抱かれている あなたを見つけた 扉の向こうには あなたの物語がまだ きらきらと輝いていて わたしに静かに微笑んでいた ク…
十月桜の翅 グリーフケア

十月桜の翅

目覚めがたとえ 冬に向かう季節だったとしても いつかの記のように わたしの指先は あなたの冷たい頬に誓うだろう 手放してゆくことは 別れではない 舞い上がる花びら一片でさえ 自らの旅を空に描いている       『十月桜の翅』より…