十月桜の翅


目覚めがたとえ
冬に向かう季節だったとしても
いつかの記のように
わたしの指先は
あなたの冷たい頬に誓うだろう

手放してゆくことは 別れではない

舞い上がる花びら一片でさえ
自らの旅を空に描いている

      『十月桜の翅』より

KotohaMatsuo
  • KotohaMatsuo
  • ことばの港はみえない港。
    日常のさまざまな風景に
    錨を降ろし
    船をやすめ
    柔らかな風を感じる
    穏やかなひととき

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です