雨 透き通る

小さいころ

紫陽花の葉の裏をそっと覗くと

悲しみを食べてくれるという

かたつむりが

涙を静かに拭ってくれました

今年も 

昨年も

雨の降る その日に

葉の裏をそっと覗いて

ちいさく呼んでみるのですけれど

かたつむりはまだ

どこかへ行ってしまったままのよう

傘に触れる雨の音色とともに 

ゆっくりと良き道を歩んでゆけますように。

KotohaMatsuo
  • KotohaMatsuo
  • ひとつの出会いに
    ひとつの言葉に
    心 救われることの
    確かさを 信じて

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