詩 26 9月 2023 隠れ鬼 この角を曲がれば もうすぐに 重みの含まれた手桶の水は 歩くたびにぐらりと揺れた 傾いた片方の肩を引き上げ 持ち手を握り直す 柄杓の柄に水が湿潤していく 感触がわかる ふと呼び止められて 鬼は何処にと尋ねられる 隠すことはできそうになかった あの角を曲がれば もうすでに 黒蝶は美しく 追われるものと… 続きを読む