小さいころ 紫陽花の葉の裏をそっと覗くと 悲しみを食べてくれるという かたつむりが 涙を静かに拭ってくれました 今年も 昨年も 雨の降る その日に 葉の裏をそっと覗いて ちいさく呼んでみるのですけれど かたつむりはまだ どこかへ行ってしまったままのよう 傘に触れる雨の音色とともに ゆっくりと良き道を歩んでゆけますように。