栴檀の木の下で

栴檀の木の下で待っていたのは
あなたのうた

詩の毛並みは
栴檀の葉よりも やわらかく
栴檀の葉を食み
静かに紡いでいる

揺れる葉から零れた雫は
あまりにも暖かい 五月の雨宿り

栴檀の木の下で待っていたのは
決められていた
あなたとの出会い

詩の明眸は
栴檀の葉よりも やわらかく
栴檀の葉を食み
いまここに
静かに解き放たれる

やわらかなるものは
あなたから零れてくる
詩

栴檀の木の下で待ち続ける
すでに決められていた
あなたとの時間の
あと

雨宿りは
待ち続けることを
望み
確かに
残る
やわらかなるものを
うたう

『栴檀の木の下で』より


 霧雨の日、尾道ロバ牧場へ伺いました。

 ロバの鳴き声で目覚める静かな霧の朝。

 雨は夜も降り続けていたのでしょうか。

 2冊の J.R.ヒメネスの詩集『プラテーロとわたし』

    JUAN RAMON JIMENEZ 『PLATERO Y YO』と共に。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
KotohaMatsuo
  • KotohaMatsuo
  • ことばの港はみえない港。
    日常のさまざまな風景に
    錨を降ろし
    船をやすめ
    柔らかな風を感じる
    穏やかなひととき

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です